楽譜を製本するとき、どうやっていますか?
例えばA3サイズの台紙にA3サイズの楽譜をそのまま貼り付けたら?
そう、台紙からはみ出します。仕方がないから楽譜サイズに妥協してB4サイズに小さくした楽譜をA3サイズの台紙に貼ったりしていませんか?
確かに台紙には収まりますが、音符が小さくなってしまって見づらくなってしまったり。
そんな悩みを解消すべく、今回は僕がいつもやっている製本方法を4ステップでご紹介します。
用意するものは定規、カッターナイフ、マスキングテープ
準備物は定規、カッターナイフ、マスキングテープです。
ハサミはカッターより切り抜きにムラが出やすいのでハサミしかない場合は慎重に作業してくださいね。
テープはマスキングテープを推奨します。セロハンテープは経年劣化が目立ちますし、その結果接着面が切れたりしますのでご注意を。
なお、糊で製本することはおすすめではありません。液状の糊はきちんと貼れますが乾燥時にしわが出ます。スティック糊は凹凸のある台紙に使うと楽譜が剥がれてしまいます。
簡単4ステップの概要
- ページごとに切る
- ページをテープでつなげる
- 上下のズレを裁断
- 台紙に貼る
どうでしょう?簡単でしょ?
冒頭にも出ていますが、手順のイラストもご用意しました。
手順1 譜面の外側3mmを切り落とす
まずページをカッターで全て切り離します。切る順番に決まりはありません。
重要なのは切った後に各ページの横幅が同じになっていることです。
上下の誤差は最終段階で調整しますのでシビアにならなくて大丈夫です。
切って除去するのは、紙の外側と中心線の左右3mmです。よっぽど印刷面が大きくない限り5mmでも大丈夫だと思います。
コツは4枚ほど楽譜を重ねていっぺんに切っていけば規格を揃えられます。ただし重ねる枚数を増やすと切り取り時に紙がズレますのでご注意。
手順2 テープで譜面をつなげる
ページの裏側同士をテープでつなげます。裏側ですのでページを間違えないようにしてください。
裏で貼る理由は見てくれの観点だけです。気にならない場合は楽譜の書いてある表面でつなげても大丈夫です。
手順3 テープで綴じて上下のはみ出しを裁断
テープで楽譜を繋げていくって冊子状に折りたたみます。その状態で冊子左側をテープで綴じます。綴じるところにも多少誤差が出ていると思いますが、左右のずれは台紙の内側で収まりますので問題ありません。
すると上下に5mm程度は誤差が出ているはずです。それをカッターで裁断します。ここできれいな冊子になったと思います。
この時に、中の譜面に影響が出ないかどうかは必ず確認しましょう。支障が出る場合は切る範囲を小さくしたり、場合によっては切らないという選択肢も出てくると思います。
手順4 楽譜の綴じ部分を台紙中心線にテープで貼る
台紙を半分に折ると真ん中に折れ線が出ます。そこに先ほど完成した冊子の綴じ部分をテープで固定します。
これで完成です。
きれいに製本できるわけ
A3見開きの楽譜があると想定します。
A3の台紙にぴったり合うように楽譜を貼り付けても、台紙を折ると、譜面がたわんだり、しわになったりしますよね?これはなぜでしょうか?
紙には厚みがあるからです。そのわずかな差が文字通りしわ寄せとなるわけです。
これを回避するには、まず譜面の大きさを台紙よりも小さくします。そうすれば台紙を半分に折ってもはみ出しません。でもしわの問題は解消されません。
しわは紙同士の接合している面が大きいほど発生します。ということは、台紙と楽譜の接触を最小限にすれば問題が解決します。
そのために楽譜を小さく切り、見開きでA3より少し小さいサイズの冊子にするというわけです。
そして台紙と冊子になった楽譜の接触部分を最小限にすることで台紙の厚みと冊子の厚みが相互に干渉することを防げるというわけです。