数日前、急にBBC Promsの大阪公演に行こうと思って、ぴあを見たらまだ空席があったのでチケットを取りました。シンフォニーホールの左側3階席。1st Vnの真上付近の最前列という、バイオリンを弾く末端の人間としてはある意味最高の場所です。
曲目
今回の曲目は下の通りです。
- 小出稚子 揺籠と糸引き雨
- シベリウス ヴァイオリン協奏曲 二短調 Op.47
- ショスタコーヴィチ 交響曲第5番 ニ短調 Op.47
Promsはイギリスのイベントではありますが、作曲家は北ヨーロッパのフィンランドとロシア、それに日本という組み合わせでした。
個人的にはシベリウスとショスタコーヴィチ目当てでした。
全般
強く感じたのは和音のはまり方が優秀なこと。もちろん縦もきちんと合わせていて、しかも弦と管のバランスがよく取れているなと思いました。あと音量のコントラストが高いというか、音量の引き出しが多いなと。
どうやったらこれらを実現できるのかを知りたい(笑)
それと逆説的な書き方なんですけど生音ってこんなに音質よかったっけ?と感じる音色。なんか倒産しちゃった国内メーカーのオンキヨーじゃなくて輸入品のBOSEのスピーカーで鳴らしている感じ。
素人だけど楽器やってる人間的に見て、弦パートのメンバーは弓と楽器の相対的な位置関係が安定していて、余計な力も入っていないように見えて、プロオケすげえとなっていました。
ちょうどコンマスの右手の持ち方を後ろから見える位置の席だったので、跳ばし弓の時の親指のポジションとかを見てました。自分は親指が固まっていて跳ばないので…。
後から気づいたんですけど、シベリウスもショスタコーヴィチもニ短調で作品番号が47なんですね。
小出稚子 揺籠と糸引き雨
「揺籠と糸引き雨」というタイトルです。曲自体は正直言って好きな分野ではありませんが、すごい設計の曲でした。
弦にギターとかの分野で見かける右手トレモロを使ったり、管楽器の人に楽器ではなく、奏者の口を使って効果音的な音を出していたりという感じ。
あと、グリッサンドも使ってましたかね。フレットがない楽器って滑らかなグリッサンドが可能だから実はこの奏法に向いているかも?
でも、曲としてそういう特殊な音が必要だから、そういうことをしてもらっているんだなという感じはしました。プロで作曲している人の曲だから、そりゃそうですが。僕らはつい特殊奏法をやりたくて曲選びとかしちゃうんですが、そういうのとは無縁ですね。
シベリウス ヴァイオリン協奏曲 二短調 Op.47
ソリストさんを見ていた感じ、ステージ上を割と動くタイプでしたが、体の左側に常時重心があって安定した弾き方でした。楽器に対する弓の角度を見ていて思ったのが、わざとだと思うんですが、弦に対して直角に当てていない時がありました。1楽章の出だしのところとかですね。
2楽章、1階席の最前列で寝ている方がいらっしゃいました(笑)
ショスタコーヴィチ 交響曲第5番 ニ短調 Op.47
たぶんこの演奏会でこれの4楽章を見にきた人が多いかと。あ、1楽章が終わった1拍後に客席でだれか咳をしてました(笑)
個人的に印象的だったのは3楽章です。和音のはまり方が秀逸すぎます。犯罪レベルです。
4楽章はハイテンポで飛ばしていく形でした。このあたりはショスタコーヴィチに詳しい人に聞いた方がいいかもですが。とにかくテンポが速かったです。1階席でヘドバンしてる人が散見されるレベルで。メタルやね。メタル。
公演日程
曲目は日程によって異なります。
大阪 シンフォニーホール
- 2022年10月29日
東京 オーチャードホール
- 2022年10月31日
- 2022年11月2日~6日