安心のヤマハか機能のSoundcraft社か
ライブ配信をするようになって、慌ててオーディオインターフェースをメルカリで買ったのはいいけれど、マイクの音声をPCに送り込むだけの機能しか持っていなくて、デスクトップ上の音声に合わせてカラオケしたりする用途に実用上、使えないことが判明したため、少し慎重にオーディオインターフェース付きのミキサーを探していました。
で、まず候補に挙がってきたのは、ヤマハのAG03
これは、日本では最も使われているミキサー兼オーディオインターフェースなんじゃないでしょうか。ただ、昨今の新型コロナウイルスの流行に伴う需要で慢性的に品薄状態が続いており、値段も高騰しています。AG03は初心者でも簡単に使えるようにデザインが工夫されていて、なおかつサポートが日本語で受けられるという利点があります。加えて、パソコンからの信号をマイクの音声とミックスしてパソコンに返す「ループバック」機能がスイッチ一つでできるという点も非常にいいと思います。しかし、一方で実売価格16,000円ほどの製品の割には、マイク入力が1本しかなかったり、エフェクトの調整とかも細かくはできないといった短所もあります。
次に目に入ったのはサウンドハウスで売られていたSoundcraft社製のミキサー「Notepad」シリーズ。
この製品群は、サウンドハウス公式ではループバック機能が「ない」とアナウンスされていました。しかし、実はそれはこの機器のスイッチ操作ではできないというだけで、この製品群用のアプリケーションをダウンロードし、パソコンにインストールすればループバックができるということが判明しました。しかも、上位機種にはリバーブやディレイ、エコーといったエフェクターまで搭載されているとのこと。お値段も、ヤマハのAG03より安いという決定的な要素もあります。
その結果、イギリスのSoundcraft社の製品を選ぶことにしました。
で、機種の選定ですが、このSoundcraft Notepad シリーズは3機種がラインナップされています。Notepad-5、Notepad-8FX、Notepad-12FXです。このうち、Notepad-12FXはチャンネル数が多すぎるため(マイク入力だけで4本!)除外。Notepad-5とNotepad-8FXの戦いになりました。前者はシンプルな構成で8000円ぐらい、後者はマイクが2本使えるうえ、エフェクターも積んでいる仕様。で、サウンドハウスの在庫状況を見たら、Notepad-5は欠品中でNotepad-8FXは「在庫あり」しかもブラックフライデーセールでさらに5%オフ!ということでポチっとしました。
Soundcraft Notepad-8FXのレビュー
で、注文の翌日に届いたのでさっそく使ってみました。
ある程度まともなミキサーを触るのはこれが初めてでしたが、やり方を覚えればそれほど難しくありませんでした。基本的に使うのはGainとLevel、それにMasterだけです。詳しい使い方はすでに多くの方がブログ記事にされているので、そちらに譲りますが、とにかく、非常に使いやすかったですね。で、ループバックを可能にするために使うのはファームウェアとアプリケーションがセットになった「Notepad Firmware and Control Panel Setup – Windows」(Windowsの場合)。これをダウンロードしてインストールするだけ。
残念ながら日本語には対応していないので英語版をインストールしてください。英語さえ読めれば簡単です。で、インストールができたら「Soundcraft USB Audio Control Panel」がパソコンに入っているのでそれを起動し、右から2つ目のタブの「Audio Routing」を「Mix L+R」に変更すればループバックができます。これでデスクトップ上を流れる音声とマイクからの入力をミックスしてループバックできます。(下のスクショ参照)
で、私の場合、OBSというソフトを使って配信しているのですが、残念な点としてはOBS上で流しているメディアの音声はNotepad-8FXでモニタリングできません。普通にメディアプレーヤー的なアプリで鳴らしているものは普通に出力されているので…。解決策を探っているところです。
あと、マイクの48Vファンタム電源のオン/オフができず、常にファンタム電源がオンになります。ですので、ダイナミックマイクを使う場合はバランスタイプのもの以外は使えません、マイクが故障します。もちろんコンデンサーマイクは問題ありませんが。この点は大きな難点です。
とはいえ、ファンタム電源周り以外はこの価格帯でこれほどの機能を持つミキサーはないんじゃないかというほどの充実ぶりで、例えば1chと2chは100Hz以下の音をカットするローカットフィルターが使えたり、リバーブ、エコー、ディレイといったエフェクトを各チャンネルごとに個別に使用できたりする点は非常に優秀です。それにギターやベースなどのハイインピーダンス楽器の入力も1chに装備されています。
しかもこれだけの機能が搭載されていてヤマハのAG03よりも安いんです。14,000円ちょいです。これはかなりお買い得と言えるでしょう。
今、ライブ配信されている方も、これから始める方も、ぜひSoundcraft Notepadシリーズをお試しくださいね!
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