iPhoneやiPadにバンドルされている無償楽曲制作ソフト「GarageBand」。無償ですがとても高機能なDAWアプリ(DTMをするためのアプリ)で高い品質の音楽を制作可能です。
今回、あいみょんの「マリーゴールド」を制作しました。そこで得られたノウハウをお伝えしたいと思います。
なぜマリーゴールド?
GarageBandを使った楽曲制作の解説をする立場になったのですが、永らくDAWで楽曲を通しでは作ってこなかったので、慌てて思い出すためと、教材作成のために制作することにしました。
マリーゴールドは比較的シンプルな楽曲です。8ビートで刻むベースとドラム、速弾きのないエレキギター。雰囲気を作り出す単純なパターンのキーボード。そしてあいみょんのルーツでもあるアコースティックギターとボーカルが組み合わさっています。
実際のところこの曲はシンプルなよくできた構成でDTMの教材にピッタリ。
使ったもの
- iPad mini
- MIDIキーボード
- バンドスコア
以上です。
DAW打ち込み作業
手順としては次のとおりです。
- バンドスコアを参考に編成を推定する
- レッテルで作業区間を分割
- 楽器隊を打ち込み、バランス調整
- ボーカルを打ち込む
1. バンドスコアを参考に編成を推定する
バンド形式の楽曲、特にソロアーティストのバックバンドの編成は、流動的なことが多いです。またレコーディングに参加した奏者がそのままツアーを回ることもあれば、そうでない場合もあります。(スタジオ・ミュージシャンという、レコーディング専門の奏者もいます。)
実例として、マリーゴールドのギターは1~3までいますが、臨時に4が出てきています。ライブ時はギター1と2の奏者で打ち合わせて、4のパートをどう弾くかを決めることになります。
また普段はいない人がステージに臨時に上がって演奏することもあります。
このようにバンド音楽は「スコアが絶対」ではありません。必要に応じてパートを追加して対応することになります。
2. レッテルで作業区間を分割
DTMでの音楽制作では基本的に通し演奏はしません。レッテルごとに分割します。
こうしておくと繰り返しの部分は作ったものをそのままコピペして流用できますし、後で修正が見つかった場合に、音符の位置を特定しやすくなります。
3. 楽器隊を打ち込み、バランス調整
楽器隊はベースを最初に打ち込みます。僕の場合はヘ音記号が苦手なので、メトロノームを鳴らしつつ、バンドスコアのTABを見ながらiPadに表示されたベース指板をポンポン叩いて入力しました。

ドラムに関してはGarageBandの全自動ドラムマシーン「Drummer」に丸投げしました。

次にキーボード。マリーゴールドに関しては単純なパターンを繰り返すものでベロシティ(音の強さ)も一定だったので、ピアノロール画面で直接打ち込みました。

最後にギターを打ち込みました。エレキギターに関してはバッキングが少なく、単音弾きが多くニュアンスも重要だったのでMIDIキーボードを使いました。アコースティックギターは「コードストリップ」画面を使ってバッキングしました。

バランス調整に関してはアコースティックギターとドラムを少々落としました。また、ギターソロ部分の音量を全体的に上げるために、ギターソロ専用のトラックを新規作成してそちらに移動させました。
4. ボーカルを打ち込む
MIDIキーボードを使ってピアノの音で打ち込みました。その後、ボーカルっぽいシンセサイザーの音に載せ替えました。
ピアノで打ち込む理由は、タッチのニュアンスを打ち込みやすいからです。
マリーゴールド出来上がり!
YouTubeにアップしておきました。
マリーゴールドで得たノウハウたち
入力方法
- 単音のニュアンスが必要なパートはMIDIキーボード
- アコースティックギターのバッキング感はコードストリップが便利
- ベースはTABを利用すると楽
- 録音時はテンポを落とす。
機材
- MIDIキーボードはあった方がいい。25鍵で大丈夫。タッチの感触が好きなものを選ぶ。
- iPhoneよりiPadの方がやりやすい
- モニターヘッドホンを使う
GarageBandを使ったDTMのことをYouTubeで発信しています!
うさぎもなか名義でクラシックからヘヴィメタルまでいろいろ作っています、見てね!
うさぎもなかちゃんねる: https://www.youtube.com/channel/UCG4AG7bPpCYGXw_80FS-BAA