バイオリンの練習内容と練習ローテーションの設定方法

「練習時間がない」というのは私たちアマチュアとはいえ楽器をやる上で常に付いてくる問題。7時間も8時間も働いて、会社から家に帰ってきて、「さあ何時間も練習しよう!」とはなりません。物理的に無理があります。

このようなバイオリンの練習時間不足は、社会人になってからバイオリンを習い始めた自分にとって長年の課題でした。

今年になってから練習メニュー、時間配分、ローテーションを試行錯誤した結果、この3か月ぐらいでようやく方法論が固まってきましたので、今回はそれの記事です。

目次

バイオリン練習の理想論

「毎日、基礎練習と曲は必ず両方ともやる。特に基礎練習には十分に時間を取る」というのがおそらく理想的な練習だと思います。

特に基礎練習は絶対に毎日というのが鉄則かなと思われます。

練習の実情

理想論通りの練習をするとなると、自分自身の例で考えると、基礎練習のメニューを全てやると1時間とか1時間半、曲にも1時間。合計2時間から2時間半ほど必要になります。

それに加えて、アンサンブルとかに入っていたりすると、そちらの練習もしておく必要が生じます。となると毎日3時間の練習が必要です。

これは体力的に無理です。せいぜい毎日1時間が限度です。疲れている時なら30分も練習できればいい方です。

その結果、基礎練習も曲も中途半端になり、アンサンブルは毎回一夜漬けという状況になっていました。

理想論は理想論として、私たちのように時間を取れない場合の妥協案を模索する必要があったわけです。

当初試してみた練習方法

慢性的な練習不足の解消に向け、最初に試してみたのは理想論に近い形、つまり「基礎練習と曲の割合を決めておき、練習するたびに基礎練習、曲、できればアンサンブルまで順番に全メニューをやる。」というもの。

運用としては、例えば基礎練習と曲の割合を1:1と設定し、1時間ならそれぞれ30分ずつ練習するという形でした。

噴出した問題

確かに基礎練習は毎日した方がいいですが、そもそもまとまった時間練習すること自体に負担を感じていた上に、割合を強制的に決めてしまった結果として、基礎練習を最後までやってから曲を練習できるわけもなく、さらにアンサンブルの練習に至っては、ほとんど手が回らない状況に。

結局、この方法は破綻してしまいました。

最適解と考えている練習方法

前述のように、練習が全部中途半端になってしまったという状況に陥ったため問題を解消できませんでした。少し理想論に囚われていた感じがします。

しかし、これから書いていきます、この3か月ほど運用している練習方法は妥協案としては割とうまくいっています。

練習ローテーションを作る

従前、練習時間に対する基礎練習と曲の配分を決めておく方法を採用していましたが、それとは違う方法を取りました。次のような感じです。

  1. 練習時間の配分ではなく練習すべき項目を洗い出す。
  2. 練習すべき項目の順番を決める。
  3. 練習する時は、洗い出した項目を順番通りに、できるところまでする。
  4. 集中力が切れたら、取り組んでいる項目まで終わらせて、そこで練習を打ち切る。
  5. 次に練習する時は、前回打ち切った項目の次の項目から再スタートする。

具体例

少し抽象的な書き方で、ピンとこないかと思います。具体例で説明します。

練習すべき項目の洗い出しと順番決め

これは、自分の場合は次のような感じです。

※ 基礎練習は4つの項目に分割しています。

  • ボーイング、音階、ホーマン、カイザー
  • レッスンでやっている曲
  • アンサンブルでやっている曲

練習すべき項目を順番にこなしてゆく

上に挙げた項目を、列挙した順にこなしていきます。

ポイントは、毎回の練習時間が同一ではないことです。練習時間は30分の時もあれば1時間半のこともあります。

  • 1日目: ボーイング、音階、ホーマン
  • 2日目: カイザー
  • 3日目: レッスンでやっている曲
  • 4日目: アンサンブルでやっている曲
  • 5日目: ボーイング、音階
  • 6日目: ホーマン、カイザー
  • 7日目: レッスンでやっている曲
  • 8日目: アンサンブルでやっている曲
  • 9日目: …

練習項目をローテーションさせるメリット

現在やっている練習方法の利点は「やるべきことはいつか必ずローテーションで回ってくる」ことにあります。今まで最初にやると決めていた基礎練習が、後ろに詰まっている曲もやらないといけないと焦ってしまって、きちんとできていなかったのですが、毎日するとは限らなくなったものの、かえってきちんとできるようになりました。

また、練習をスタートする時に「今日は1時間練習する」と決めておくことからも解放されました。以前はやらないといけないと思うと、集中力が切れていてもむりやり練習をしてしまうので、練習していても何も残らないということが多発していました。その無駄がなくなりました。

以前の練習方法との比較

文字だけではわかりづらいと思いますので、絵にしてみました。こんな感じです。

練習記録を残しておこう

練習ローテーションは、一連の練習項目を中断しながら回転させていくところがポイントです。

記録をつけておかなくてもどこまでやったかを次の練習時まで覚えておけば良さそうですが、記憶に頼ると、何かの事情でイレギュラーな順番を踏んだりした場合や細かいことがらを忘れたりしますので、ノートなどに記録しておいた方が良いかなと思います。

レッスンノートの書き方については以前に記事化していますのであわせてご覧ください。

【音楽レッスン】レッスンノートを書く意義とレッスンノートの書き方(基本編)
【音楽レッスン】レッスンノートを書く意義とレッスンノートの書き方(応用編)