私は10数年の間に4台のバイオリンを所有する機会がありました。その遍歴について、記事にしてみたいと思います。これからバイオリンを買おうと思っている方や買い替えようと思っている方の参考になれば幸いです。

初代 R.M.Paulus V-3

ドイツの工場製バイオリンです。このメーカーはKlaus Hefflerの日本向けOEM品らしいです。教室の展示会で購入して、お値段は15万円ほどでした。写真のとおり、テールピースに全弦アジャスターが付いております。後にテールピースはヒル型に交換しました。新しい楽器ですので、特にストレスなく2008年から2013年にかけて使っていました。

二代目 H. Clotelle

ちょっと写真の切り抜きが不細工ですみません。こちらH. Clotelleは19世紀末にフランス北東部のミルクールに工場を構えていた​Laberte Humbertというメーカーのブランドです。このメーカーは様々なラベルでバイオリンを生産しており、特に価格帯の低いものにその傾向が顕著です。ちなみに価格帯が上がると、Laberteの名前の入ったラベルを貼っています。といってもラベルは比較的簡単に切り貼りできるので、鵜呑みは禁物ですが。

ここでセットアップの重要さを書いておきます。この楽器、買った時点でニスのレタッチが必要な状態で、もちろんそれをわかってて買ったのですが、修復に出した工房が外れでして、音の抜けが悪くなってしまいました。で、別のそこそこ信用できるところに魂柱を立て直したてもらったら音が復活したということがありました。

三代目 N. Amati Label

こちらはいわく付きの楽器でしたね。ラベルはアマティだけど、少なくともアウトラインはアマティじゃなかったですね。メーカーは二代目と同じくフランスのLaberte Humbertと推定されています。先述のとおり、このメーカーは本当にいろいろなラベルを貼っていますね。貼りたい放題です。(笑)なお、このメーカーをはじめ、ミルクールの弦楽器産業は20世紀後半に衰退し、すっかり絶えてしまっており、現代ではドイツのメーカーが多くなっています。

楽器の状態に関しては一見普通だったのですが、指板が通常よりも薄く、糸倉の容積が小さいうえにペグの穴の位置が不適切でペグの軸と弦が干渉していたりする始末。売却する際にそのあたり一式の修復で10万円以上吹き飛びました。もちろん今の持ち主さんには健康な状態になって引き渡されていますので、ご安心ください。

四代目 Oki Fujii

実は手工品のバイオリンはこれが初でございます。藤井大樹さんの楽器です。モデルはガルネリ・デル・ジェスの1742年製ロード・ウィルトンです。この楽器は、ガルネリ系の楽器が気になっていた頃に、たまたまネットで見かけたのがきっかけで入手することになりました。見た目が個性的な色ですが、そこに惹かれたんですよね。

日本の製作家といっても文字通りピンからキリまでいらっしゃいます。日本ではバイオリン職人を名乗る国家資格があるわけではなく、例えば私が明日から魂柱を立て直したりしても犯罪にはならないので、そのあたりの注意は必要と思われます。

楽器を選ぶ時の教訓

今まで4台の楽器を買った経験があるわけですが、19世紀後半~20世紀前半のミルクールの楽器はちょっと注意が必要かなと思います。大量生産が悪いという意味ではなく、一般的なバイオリンの規格から外れた楽器が見受けられて、手放すときに修復が必要になるなどのリスクがあります。手っ取り早く言うならば、この年代の楽器は避けた方がいいかもしれません。値段も高いですし。

まあ、最初の楽器は15万円くらいからが一つの目安かなと思います。他の楽器でも、まともな楽器を買おうとすればそれくらいの値段はしますしね。

次の楽器を買う機会があれば、オーダーメイドもしてみたいですね。もちろん、思っているだけではなく、お金を工面しようと試みてはいますが当分先ですね。

最後に、各楽器の使用期間と写真、生産国を一枚にまとめたものを載せておきますね。

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